南:弥勒仏浄土(みろくぶつじょうど)
「弥勒仏浄土」は、弥勒菩薩が如来の姿になって中央に位置しているものになります。
迦入滅後(亡くなった後)56億7000万年後、弥勒菩薩が弥勒如来となってこの世に降臨します。そして、お釈迦様のあとをついで衆生(人々)を救うとされています。
末法思想(まっぽうしそう)とは、釈迦が説いた正しい教えが世で行われ修行して悟る人がいる時代(正法)が過ぎると、次に教えが行われても外見だけが修行者に似るだけで悟る人がいない時代(像法)が来て、その次には人も世も最悪となり正法がまったく行われない時代(=末法)が来る、とする歴史観のこと。(wikipedia)
弥勒如来の出現こそがこの末法の世界から抜け出るということになります。
弥勒如来の出現によって末法の世界から人々はすくわれ、新しい世界を手に入れられるのです。
弥勒菩薩はまだ修行中で、どうやって人々を救おうかと思案(思惟)して(広隆寺の弥勒様や中宮寺の弥勒様のように)いる姿がよく見られます。
法隆寺の五重塔の南面には、このように釈迦入滅後、56億7000万年後に修行を終えた弥勒菩薩が如来となって弥勒如来の姿で現れています。
東:維摩詰像土(ゆいまきつぞうど)
これは「文殊菩薩」と仏教徒(維摩経の主人公)が仏道においての議論を言い合い、それを、お釈迦さまの弟子たちが盗み聞きしている場面を表現しています。
中央に文殊菩薩と維摩詰居士が問答をしていて、その他の弟子たちが周りで盗み聞きをしている場面です。
(塔本塑像配置見取り図 出典:奈良六大寺大観)
このように法隆寺の五重塔の内部にはたくさんの塑像があります。
国宝に指定されているのは金棺や舎利塔を含めておよそ80体です。
実際法隆寺に訪れて見ることもできますが、内部をのぞき込んで見るという感じになりますので、よく見えなかったりもします(-_-;)
先にどういう場面があるのかわかっていると理解もしやすいかもしれないですね。
何度か法隆寺を訪れて見てはいますが、その時のお天気などにも左右されたように思います。懐中電灯など用意しておくとより一層楽しめるのではないかと思います。
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